Aliexpress で PCM1792A DAC 基板を買いました。後で探したら ebay でも同じセラー(?)が売っているようです。PCM1792A を使っているボードはこれしかないようでした。PCM179x 系でアッテネータ機能内蔵の高音質より(PCM1794と同じ)ということで期待して買ったのですが、これはお勧めできません。
改造前のボード
PCM1792A は電源投入時(リセット時)はステレオモードなのでモノラルモードにI2Cから設定する必要があるので、それをしてから Combo384 互換の USB ボードをつけて音を聞いてみたのですが、よいと思いませんでした。変というわけではないのですが、PCM1794A, AK4493, CS4398 のいずれを使ったボードの場合に感じた、いい印象がありませんでした。
どうしたものかと思っていたのですが、1kHz の矩形波をいれてオシロで見たところこんな波形でした。これは I/V 変換のオペアンプの出力端子(差動→シングルへの変換前)の波形です。シングル変換し、さらにRCA用に変換した後でも同じです。
おかしいのは矩形波の横向きの線になるところに乗っている波が上下で対象でないことです。これは負電源をつくるのに正電源用の IC である LT1963A を使っていることが原因のようでした。LT1963A をバイパスしてCVCC電源から直接電源を入れると改善されました。
これのおかしい点は1kHzの奇数倍の高調波が理論通りに下がった後、理論値より下がった後にまた増えている点です。
結局、電源周りを改修しては波形をオシロで確認するということをしていったのですが、このボード守るべきことを守っていませんでした。
- オペアンプのバイパスコンデンサが電解コンデンサ+フィルムコンデンサ→0.1uFの積層セラミックコンデンサを各オペアンプに追加
- 負電源に正電源用のLT1963Aを使っている→CVCCから直接供給(前述)
- +15V, +5V 用の LT1963A の出力端子とコンデンサの間にインダクタ→インダクタをバイパス
- LT1963Aの動作安定用に出力端子から直近に10uFの積層セラミックコンデンサを追加
- 3.3V用の LT1117-3.3 の入力と出力のバイパスコンデンサの容量が不足→入力に10uFの積層セラミックコンデンサを追加、出力に100uFの高分子コンデンサを追加
- DGND端子は AGND に繋ぐように書かれているのに、AGNDとDGNDの間のインダクタ→インダクタをバイパス、PCM1792A裏面でGNDをつなぐ線を追加
- 15, 28ピンは直近でバイパスコンデンサをいれるように書かれているのに遠い→0.1uFの積層セラミックコンデンサを追加(スルーホール/1608)
- 5Vをインダクタを通して供給→インダクタをバイパス
ほかに PCM1792A周りの電解コンデンサを高分子コンデンサに変えました。
0.1uFの積層セラミックコンデンサを各オペアンプに追加
LT1963Aの動作安定用に出力端子から直近に10uFの積層セラミックコンデンサを追加
LT1117-3.3 の入力に10uFの積層セラミックコンデンサを追加、出力に100uFの高分子コンデンサを追加 、PCM1792Aの15, 28ピンに0.1uFのコンデンサを追加
改造後の基板はこんな感じになりました。
波形 (RCA端子の直近) はこんな風になりました。改造前より波形が安定しています。
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