Nikon の AF-P レンズ、絞りが機械連動のGタイプと、電磁絞りのEタイプの2種類あってややこしいですが、それはおいておいてこれまでの Nikkor と違うところがあります。Nikon の AF レンズは大きく分けると、ボディ側のモータを使うレンズ、レンズ内のモータを使うレンズ(AF-S, AF-P)に分かれます。古くからあるのがボディ側のモータを使うレンズですが、最近はレンズ側にモータを内蔵することが多くなっていて下位機種(D3000シリーズ, D5000シリーズ)ではボディにモータを内蔵していません。一方でボディ側にモータをもつレンズ、AF-Sレンズ共に共通していたのは、距離環(MF時に距離あわせをするためのリング)がMF時にはレンズとダイレクトにつながっていました。AF-Pレンズの距離環は直接つながらず、MF時にもAF時と同様にモータでレンズを動かしています。
AF-Pレンズのような方式は一眼レフタイプでは珍しいですが、ミラーレスタイプではμ4/3, Nikon 1, Sony E mount でも採用されています。メリットは色々ある(人の力が機構に直接かからないし、機構的に簡単になる場合がありそう)のでしょうが、デメリットは、一度 MF でピント合わせをしても電源を切ったり半押しタイマーオフになる(花火とか夜景とかでやりたいときがある)と、ピント位置がリセットされるカメラ、レンズの組み合わせが多いことです。Nikon D5600 + AF-P DX 18-55 でも、電源オフ時はピント位置リセットになっているようです(半押しタイマーオフでは動かない、ニコンのカメラは半押しタイマーオフ時の電池持ちが悪くないのでそちらを使えばいいはず)。理由は距離の絶対値をカメラ、レンズが保持していなくて、電源を切ったときにレンズを外されてもいいようにといったことがあるのではないかなと思います。
ニコンのAF-Pレンズの注意書きに
http://www.nikon-image.com/products/lens/combination/#section11
「D5、D810シリーズ、Df、D750、D7200、D7100、D5200、FT1を装着したNikon 1シリーズに装着してお使いの場合、ピント合わせを行った後にカメラの半押しタイマーがオフになると、再び半押しタイマーがオンになったときにピント位置が変わります。」
とあるのは、半押しタイマーオフでカメラの電源オフと同じことが起きている(節電のためにそうしている)からだろうと思います。となるとファームウェアでは簡単に変えられない可能性が高い(回路的に難しい)んじゃないかなという想像がされます。ということで AF-P を使いたい(あるいは長く使えるカメラが欲しい)なら注意書きのない新しいカメラを買いましょう。
あと AF-P の E タイプが最初に企画されていてあとから AF-P の G タイプができたのかなあと、AF-P の Eタイプの方が使えるカメラが多いことから想像しています。企画の順番ではなくて、たまたま組み合わせ的に動くようになった(設計できた)だけという可能性もありますけど。
(追記)
今発売されているAF-Pレンズはズームリングを回して焦点距離を変えるとピントがずれます。もともとの定義のズームレンズは機械的にズームリングを回したときにピントがずれないようにカムで連動させています。実際には微妙にずれますが、おおきくはずれないように設計されています。一方で、焦点距離を変えたときにピントがずれるレンズはバリフォーカルレンズとよばれます。
だから正確にはAF-Pレンズはバリフォーカルレンズでズームレンズとはよばないんじゃないかなと思います。バリフォーカルにするのは設計が楽になるからでしょうね。AFですぐに合うのなら実用的にも問題は少ないでしょうし。
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