2019/04/10

Wealthnavi (ウェルスナビ) 卒業(休止)

1年ぐらい前にロボアドバイザーの一つ Wealthnavi (ウェルスナビ)を契約したのですが、最近解約しました。解約の理由は経験者が語るウェルスナビの長所と短所!(2018年12月改訂版)」にまさに書かれているとおりで「中級者には向かない」でした。またそこに書かれている向いていない人にまさにあてはまってました(笑):

資産運用の相談相手: 無相談
現在の運用状況: 自力で株に投資, 自力でインデックス投資
運用知識: そこそこ理解している

です。手数料の高い/低いは知識や運用にかかる時間などを含めての話なのですが、個人的には高いと判断して止めることにしました。先のページにあるように投資に慣れたら卒業(解約)でいいのではないでしょうか。

一つだけ先のページに書かれていなくて、Wealthnavi についてよくある説明で誤解を招くと思う点があるので書いておきます。よくある説明とは「Wealthnavi では ETF を買い付けする、ETFは低コストで長期保有に向いていて、Wealthnavi は為替手数料、売買手数料が一括手数料に入っているから毎回手数料を払うより安い」です。これは日本円から米ドル建ての ETF を買うことを前提にしたときの話です。本来の比較対象と違うと思います。

そもそも Wealthnavi を契約する目的は長期国際分散投資(のうちインデックス投資、あるいはそれほどリスクの高くないバランス投資)の実現のはずです。長期国際分散投資をする方法は、ETF を買い付けする他にも色々な方法があります。それらの間で手数料の比較をするべきなのに、ETFを買い付けする方法に限定して手数料の高い/安いの話をしているのはまずい(思考を誘導している)ように思います。

長期国際分散投資(インデックス投資)をする方法の代表的なものに、米ドル建ての ETF を買い付ける以外に、日本円建ての ETF を買い付ける方法と、日本円建ての投資信託を買う方法がよく知られています。たしかに米ドル建ての ETF の信託報酬は格安なのですが、それ以外の手数料と、買い付けの最小単位を気にする必要があります。

米ドルETF, 円建て ETF は買い付けの最小単位が数万円です(1単位数万円で、購入はその整数倍)。投資信託は最小購入金額が100円で100円以上なら1円単位のものがいくつもあります。

手数料としては米ドル建てETFの場合は為替と購入手数料がかかります(条件次第で安くなる)。円建てETFと投資信託の場合は購入手数料がかかります(条件次第で無料になる)。

信託報酬(保有中ずっとかかる)は米ドル建て ETF < 円建て ETF < 投資信託の順で高くなります。

じゃあ全体(長期間)でどうなるのかというと、一度に大きな金額で買い付けられる場合は米ドル建て ETF が最も安く、次に円建て ETF、投資信託の順になります。

一方でインデックス投資では、資産の中で投資対象の比率を決めてそれを達成するよう金融商品(ETF, 投資信託)を買うのですが、ETFの場合は購入単位が大きいので、数万円ずつ積立投資をするには向いていない(どれかの資産を1単位買うしかなくバランスが取れない)ということになります。その結果、投資信託での投資が勧められることが多くなります。

ポートフォリオ(分散投資先と割合)を達成するための売買の手間という点では、個別に米ドル建て ETF を買うのが日本円を米ドルに替える分だけ手間がかかり、円建て ETF, 投資信託の購入の場合は、ほぼ同じ手間です。また分散投資先毎にバラバラに投資信託を買う(4から8種類ぐらい)のではなく、バランスをとった状態の投資信託(バランス型)を買うという方法も採れます。

そこであらためて、米ドル建て ETF を投資一任契約で売買する Wealthnavi と投資信託の比較をしてみます。Wealthnavi の手数料は年率 1% + ETF の信託報酬です。ETFの信託報酬は1%に対して小さいので無視します。買い付け手数料はかかりません。

投資信託の場合は信託報酬が 0.2%〜1%程度のものが多くあります。買い付け手数料はネット証券とよばれる証券会社(SBI証券, 楽天証券, 松井証券など)を使うとかからないものも多くあります。投資信託を複数買ってバランスをとる場合は 0.2%〜0.3%程度が信託報酬の平均になります。それが面倒な場合は、バランス型と呼ばれる投資信託があります。有名なものでは、セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド三井住友トラスト・世界経済インデックスファンドが、信託報酬 0.6%前後、三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)だと 0. 17%です。

Wealthnavi とバランス型投資信託の積立で、どれぐらいの手間がかかるかというと、

Wealthnavi: 契約をする(本人確認、マイナンバーの登録)、積立の設定をする(引き落とし銀行口座との連携)
バランス型投資信託:証券会社/直販会社と契約する (本人確認、マイナンバーの登録)、積立の設定をする、毎月送金する※

ということでほぼ同じです。証券会社の場合はほかのこともできてしまうので、ややこしく見えますが、投資信託を買うだけなら上記で終わりです。セゾン投信のように直販型だと Wealthnavi ほどの選択肢もなく毎月の送金も不要(銀行から自動引き落としなので)です。

※証券会社で投資信託を買うとき、もともとは証券口座に現金がある(銀行から振り込んでおく)必要があって毎月送金が必要だったのですが、最近は自動振替/引き落とし(SBI証券の自動引き落としサービス、楽天証券では楽天カードの支払口座を使う、楽天証券で楽天銀行を使う)、カード払い(楽天証券で楽天カードを使っている場合)など便利なサービスが出ています。あるいは銀行の方で定期的に振り込む仕組み(家賃などの支払いにも使われる)を使って証券口座に振り込んでもいいです(手数料がかかる場合があるので注意)。

さてここで手数料の比較をしてみます。20年間で毎月3万円投資(合計720万円)して1.5倍(1080万円)になることを目指すとします。乱暴な計算をすると、投資期間の平均口座残高は540万円です(投資の元金と損益で残高が 1080万円まで直線的に伸びるとしている、正確にするなら後半の方が伸びるので平均は減る)。ほとんど手間は同じで、それにかかる手数料が1%だと5.4万円×20=108万円、0.6%だと65万円です。さらに個別に投資信託を買って自分でリバランスをする(上記では考慮していません)なら信託報酬が 0.3 % 以下になって手数料は 32万円以下と見積もれます。

なので最初にもどって Wealthnavi 解約の決心につながりました。

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